子どもを叱って

母さんを見る

この二つの場合に比べて若者よ驕るなかれ、と言いたいのが近ごろのお子さままかり通る世相である京都の繁華街の商店のひとに聞いたことだけれど、修学旅行の生徒が自分の店に入ってくるということは、野武士が奪略に来たくらいの心構えで見張っていなければならないのだという。臨時の要員をふやして、何か盗ったらすぐはい、お勘定と言う。どうしても目つきがキョロキョロしているから、すぐに見分けられるそうである。
スーパーなどでは、わりに万引きを見逃すこともある。その土地に定着して、お客が固定しなければ困るから、あのスーパーは、うちの子を万引きだと言って突き出したなどと言われると評判を落とす。広告代とあきらめて見逃すことがある。しかし、京都の店のお客はほとんど旅人だから、後々のお得意にはならない。容赦はしないで、あんた、そんなことをしたら警察を呼んできますよというと、ピタリととまるという。またあんたどこの学校と言われると、自分が学校の名誉を汚してはならないという気持があるのだろうか。これもあわててそそくさと逃げるという。しかしとがめられなければ、ひとの眼を盗んで、コソ泥を働らこうなどとは学生にあるまじき低劣な行動だ。学生とは少なくとも、学問に没頭する人間という誇りにかがやいているものではないのか。
母親は非芸術家的人間の典型

いじめ文化の元凶だと考えている

修学旅行における異性の問題も多い。もっとも京都というのは性の問題についてはあまりお手本になる町ではない。女の子はだれでも舞妓さんが見たいなどと言って、不思議に祇園にあこがれる。日比谷公園や代々木公園ならまだ木がいっぱいあるから、男と女がどんな恰好をしていても、本当にのぞこうと思わなければ遠くからはわからないけれども加茂川の土手などは、春になったら、待っていましたとばかり、どっとカップルが繰り出す名所でハラハラさせられる場面も少なくない。そういう光景を修学旅行中にいやでも目にするある学校の先生が、点呼後に部屋を回って人数を勘定したら、男の子の部屋でどうしても人数が一人多い。女の子の部屋では二人足りない。そこで先生は、女の子はまだどこかに遊びに行ったまま帰らないのだろうと思って、大急ぎで玄関に走っていった。

 

子どもが欲求しようとしまい

もう一人
の先生は、自分が数を間違えているのではないかと思って、やっぱり二人多い。
もう一度数え直したけれども調べてみると、女の子が男の子のふとんに入って寝ている。驚いてふとんをパッとはいだ途端、女の子は先生、エッチねと言って出てきた。ちゃんとした制服のままではあったそうだけれど、なぜこんなところにいるのかと聞くと、「まだ話が終わらないうちに消灯になったから、ここでもっと話したいと思って」。
教育や家庭環境のあり方がわいわい騒がれる。
子供を立たせることの効果

中学二年で三二パーセントとそれぞ

先生がまわりの生徒に、どうしてそのことを早く言わないのかと言ったそうだけれど子供たちのルールとして、告げ口は最大の悪徳ということがあるとかで、一様に口をつぐんでいた。カンニングを知らせるのも悪徳、カンニングを頼まれて教えないのも悪徳である。あいつはエゴイストだと言われることは子供たちにとって最大におそろしいことであるらしい。正義よりは友情であるらしい。しかし本来の友情とは何であろう。
あなたはひとの万引きを見て見ぬふりをしますかという問いに対して、注意をしますというよりは見て見ぬふりをしますという答の方が圧倒的に多いという。カンニングを見て先生に言いますかという問いに対しても、言いませんという答もまた圧倒的に多い。

子どもが二人になり三人になったとき

1000円札を拾って届けますかという問いに対しては、はいという答がわりに多い。けれども、友達がネコババをしているのを見て注意しますかとなると注意しないという答が多い。それは、後の報復がこわいからである。だから、男の子の部屋に女の子が来たぐらいのことでは、だれもとがめない。
旅の恥はかき捨てなどと言って、大人たちが海外旅行で売春婦を相手に国辱を発揮しているとき、子供たちもまた、それ相当な無恥な所業に及ぶ。
母乳だけでは不足である。

父親は社長の地位から落ちてしまうだろう


これも京都での話である。女の子たちの入浴中に男の子たちが水着を着て乱入した。先生が見つけて、何をしていると叱ったら、裸ではありませんと言ったという。逆に男同士でも、水着を着なければ浴場に入れないという子供がいる。
一二、ポルノの氾濫が子供の心をゆがめる子供たちの性についての関心は、昔も今も大変な深さだ。昔はこれを隠微なものとしてとらえたが、今は戦前では想像もつかぬまでに解放されて、性を誇大に取り上げた漫画などもいっぱいある。旅館のテレビなどにも、ひどいポルノの出るテレビがあるという。神聖であるべき性が低い興味の対象として子供たちの前に提示されている事実は心配だ自動販売機のポルノ雑誌なども、よくPTAの母親たちの問題になって、商店にかけ合うことがあるらしいけれど、母親たちの圧力くらいでは、商人は突っぱねる。